カンタベリー・リバー・ツアー
お楽しみのリバー・ツアーに遣ってきた。ハイストリートの"Kings Bridge"の上で客引きをしているお兄さんに「ツアーに参加したい」旨伝えると、
「Old Weavers houseの脇を入って裏に回れ」とのことだ。Old Weavers houseはレストランになっている。
脇道の入り口にいたお兄さんが案内してくれる。「日本人ですか?」と日本語で聞いてくる。「日本語が上手いね」と言うと「僕は東京に3年いた」と言う。
Old Weavers houseの裏のガーデンの脇に舟乗り場がある。先客は5人ほど、詰めて座らせられる。定員12名で定員になり次第出発らしい。
11人になったが一人客がなかなか現れない。先ほどのお兄さんが遣ってきて「英語のガイドしかないが大丈夫か?」と気遣ってくれる。
後から来た人で、次の舟も定員に近づいてくる。次の舟の漕ぎ手は先ほどのお兄さんだ。仕方なく、11人で出発だ。漕ぎ手のお兄さんがガイドも勤める。
カナダから来たという若い女性3人組が陽気に騒ぎこの舟の主人公となりそうだ。後はカップルが4組だ。
私たちの旅については”見物するだけの旅"でなく、”参加型・体験型の旅”を志している。しかし、経験・体力・年齢を考慮すると思うような
アトラクションに巡り合えないものだ。そして、もう一つ問題点がある。英会話力だ。迷ナビはそこそこ話せるのだが、私はまったくダメなのだ。
このようなツアーでは妻に逐一通訳してもらう時間的余裕もないし、会話は他の人に迷惑となる。そこで下調べの事前準備と自分なりの楽し方をすることにしている。
このツアーでもガイドの内容が分からないから、撮影した写真もガイドからピントがずれている。
このリバー・ツアーは1932年から行われている。ツアーそのものが"Historic"だ。先ずは上流に向かって漕ぎ出す。
下から見上げるOld Weavers Houseの白い漆喰に黒い柱や梁、筋違いが美しい。2階が迫り出している。出窓は川の上に突き出している(写真上左)。
直ぐにハイストリートのKings Bridgeを潜る(1134年架橋)。ハイストリートの部分だと思われる石造りののアーチ部分に続いて木製の部分がある(写真上左から2枚目)。
ここは1180年に出来たという"Eastbridge Hospital"gが
建っている場所だ。"Hospital"といっても現在でいう病院ではなく、貧しい巡礼者を持て成す宿泊施設、古い意味での"Place of hospitality"だ。
カンタベリー大司教の後援で立てられたものだ。
橋を潜り上流から見たのが上右の写真だ。川は浅く流れもさほど早くないが、水は透明だ。水草も青々と茂る。
上右から2枚目のハンサムなお兄さんがガイドだ。カナダ人女性と掛け合いで皆を盛んに笑わせているが、私一人蚊帳の外だ。
直ぐ上流に中州があり川は2つに分かれる。中州の岸に舟を留めて何やら説明がある。この中州は"Franciscan Island"で1267年に出来た
"Greyfriars Chapel"やガーデンがあるらしい。
流れに沿って下流に下る。舟乗り場を通り過ぎると左側にマーロー 劇場(Marlowe Theatre)が見えてくる。
昨年出来たばかりの劇場だ(写真下左)。その川岸に巨大な人の顔のオブジェが現れた。鉄製のようだ。人や建物と比較して大きさが分かってこらえるか
その下流の両岸に古い建物がある(写真上右から2枚目)。左側が"Dominican Priories(Blackfriars)"で14世紀の建築という(写真下左も)。
大木と豊かな緑、豊かに流れる水が爽やかな風を生む。歴史ある建物も比較的新しい建物も少しの隙間に植物が植えられている様が見て取れる。
庭師の国・英国の庭園・ケントたる証だ。
さて、40分のツアーを終えてOld Weavers houseの裏庭の舟乗り場に帰ってきた。ここに面白いものがある。
水責め椅子(The Ducking Stool)だ。ガーデンから突き出した柱の先に木製の椅子が付いている。
この椅子の用途は2つある。
一つは、”亭主は口やかましい女房を罰としてこの椅子に縛り付けて川に浸けこむことができる”というもの。何とも愉快な話だ
もう一つは、”魔女と疑われた女性をこの椅子に縛り付けて川に浸る。、3分経って溺れ死んだら人間、死ななかったら魔女と判定する。
魔女と判定されたら、火あぶりの刑にし、死んだ人間には教会から家族に謝罪がある”というのだ。
中世には魔女狩りが盛んに行われた英国だが、これでは疑われた女性は必ず殺されてしまうことになる。惨い話だ。
Address | The Kings Bridge, Canterbury CT1 2AT |
Telephone | 07790 534744 |
Web Site | Canterbury Historic River Tours |
詳細はWeb Siteなどでご確認ください。
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